雨の日。

関西も梅雨入りしました。
『湿』の季節です。
近年 『気象病外来』というものがやっと西洋医学でもでき始めました。

雨の日や季節の変わり目に頭痛、倦怠感、神経痛、気分の落ち込み、めまいや耳鳴りなどの不調が出やすくなる方がいらっしゃいます。

これからの梅雨時期、秋の長雨頃など
低気圧が続いたり
台風が近づいて急に気圧が変化した時に不調を感じることがあります。
これらは気圧の変化による自律神経の乱れ
によるもので
頭痛、怠さ、やる気がおこらないなど
なんとなく調子の悪さが続きます。

東洋医学では『水』の停滞に対して
『気』の大きな五つの作用のうち
『推動作用』を使って平衡な状態に導きます。

『推動作用』とは
観念的になりますが
人体の全ての代謝を推し動かす、という作用です。

東洋医学では『気』が全身の生理活動や代謝作用の促進、
『血脈』や『経絡』の流れを推進しています。

『気』が全身を巡ることで
人間の生命活動を維持すると考えられています。
気の流れが滞りないことが健康な状態ですが

いろいろな外的要因や内的要因により
滞りが生じて心身に影響が出ることもあります。

今回フォーカスを当てるのもその外的要因の一つ
『湿邪』です。

湿度が高い環境下では体内の余分な水分・老廃物が滞り気血のスムースな流れを阻害します。
これにより頭痛・消化不良・むくみ・やる気がおこらないなどの不調が現れます。

西洋医学では低気圧の作用により
本来活動する時間帯には『自律神経』のうち『交感神経』が優位となり活動に向かう心身の状態に整えるはずが
本来心身を休める『副交感神経』が優位のままになり 
仕事などの活動をしなくてはいけない場面でも
身体は休んでリラックスしている状態のため、やる気が出ない・怠くて動くのが億劫といった状態になります。

対策としては
当院で様々な不調の方に共通してお願いしている
『自律神経を自分の意思でオン・オフする』というメソッドです。

仕事などの活動中やそれに向かう心身を整える時は『交感神経』を高める
家に帰り心身の状態をリラックスさせ疲れを癒して回復する時は『副交感神経』を高める

具体的には
朝起きたらパチンと交感神経のスイッチをオンにする
家に帰るとパチンと交感神経のスイッチをオフにし、さらに意識的に副交感神経のスイッチをオンにする(副交感神経は本来リラックスする神経ですが、家に帰っても家事や家族のことがあってバタバタしていてなかなかひと息つけないと物理的に帰宅していても
交感神経が高いままということが多いです。)ということです

帰宅されてもたくさんしなければいけないことが山積だとは思いますが
手洗いうがいをした後に家事やお仕事の残りのことは一旦置いておいて
床やソファーに横になり軽く目を閉じ
大きく胸いっぱい、息を吸い込んで少し止めてください。
次に吸い込んだ空気を細く長く吐いてください。
もう吐く空気がないー!と思っても無理やりもっと吐ききる感じです。
その時、頭の中のものも全部吐いて空っぽにする感じです。
お時間が許せばゆっくり三度くらい繰り返していただければ理想的です。

これで『交感神経』のスイッチをパチンとオフにしました。

後はお家の用事が忙しくても
『これはお家の用事.外での仕事とは別モノ』と頭で考えなくても身体が認識してくれます。

上手になるには少しトレーニングも必要ですが
ストレスの緩和には自分でできるとても良いリラクゼーションです。


食養生としては
体内の水分を積極的に出す利尿、利水作用のあるもの
きゅうりやスイカなどの瓜類
大麦、小麦などの麦類
(上記ニ類は身体を冷やす役割もあるので特に妊活中や冷え、瘀血のある方は加熱調理されるか避けていただくこととなります)
みようが、パクチー、生姜、ネギなどの香味野菜
唐辛子やカレー粉などの香辛料などを摂ります。

『お灸』や指圧に使うツボは
体内の余分な水分の排水に最適な『陰陵泉』
女性生殖器の特効穴でもある『三陰交』
体内の水分バランスを司る『湧泉』などがあります(これもお一人お一人の証をとってみないと細かく言えませんがあくまでも一般的につかわれるツボです)

『湿邪』対策としては
『陰陵泉』への刺激で不必要な水を排水し
新しい常温あるいは少し温めた水を補給する、
水分の滞留しやすい下半身を冷やさない(特に足首と胃のあたり)(夏に靴下を履くのが苦手な方は足首だけでも汗の溜まらない素材のものを巻いていただく=夏なら腕用の日焼け止めアームカバーなどを転用されるのがオススメです)
半身浴や足湯をする(お時間のない朝などはシャワーを足首、三陰交あたりにあてて温める)
休憩時などに心臓より足を高くして休み、血液やリンパ液を還流させる
などの方法でご自身でも改善できます。

湿邪のシーズンうまく乗り切りたいですね

そら鍼灸院 淡路島

淡路島にあるLOHASな鍼灸院です。 ゆったりとした島時間が流れるプライベートルームで カラダとこころを解きほぐしてみませんか。 ときどき四匹の猫も寄り添います。